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ワンハンドでRoux Methodを使おうと思うと、どうしてもLSEのM列の応酬が苦しい。
そう思っていたのだが、Youtubeなどで動画を探してみると何とまあ、器用にM列を回している。
以下のwaffle氏の動画を参考にしてもらえばわかるのだが、キューブを机面で支えてR面を固定し、M列を回すのである。
つまり、机面(surface)を右手代わりに使用しているのだ。
片手競技は片手のみでキューブを完成させなければならない。果たしてこの回し方はルール上OKなのか?
――現状はOKである。
大会規則の中に根拠となる項目がある。
C1b)ソルビング中、身体の他の部分や、テーブル以外の他の物体がパズルに触れてはならない。罰則:試技の失格
キューブはテーブルに触れてもいいと明記してある以上、この回し方もまかり通るのである。
しかしこれには疑問が残る。
片手競技の際の机面使用について、JRCAにトピックが立っている。
片手競技におけるテーブル表面の使用方法 このトピックでは、「ソルビング中にパズルを意図的に机に叩きつけることでズレを直す行為」が、「片手のみを使ってパズルを解く」という競技の本質に合致しないのではないかと提起されている。
机面の接触が許されている理由はそもそも「キューブを誤って取り落とした時」のための救済措置であり、机面を意図して有効活用するのはダメなんじゃないか、ということである。
個人的には、僕もダメだと思うのだ。
「使用」の可否と「接触」の可否は違う。
足競技の規則と見比べれば瞭然である。足では、「surface」は「接触」のみならず「使用」も認められている(D1b, D1c)。一方
片手競技では、「接触」してもよい(C1b)とは書かれているが、「使用」してもよいとは書かれていない。「使用」してもよいのは「片手のみ」である(C1a)。
この2競技の規則を比較して初めて、片手競技の机面使用が規則で明確に禁止されていることに気づけるのである。
よって、足競技で床面を使用するのは一向に構わないが、片手競技で机面を意図的に使用してソルビングするのはダメである。ただしうっかりぶつかってしまったり、落として触れてしまう分には良い。
ただそれをうまく競技に反映するのは難しい。接触と使用の境目が曖昧なことと、「接触OK=使用OK」という解釈の存在のせいだと思う。「接触OK=使用OK」という解釈は確かに、足競技の規則と比べてみない限り成り立つような気がしてしまう。ていうか現状成り立ってるので、Roux使いとして有名な諸氏もOne-Handedの公式記録を持っているんだと思う。ビデオは見てないから、実はCFOPで解いてるのかもしれないけど。
将来的に机面使用がダメになる可能性は大いにあるだろう。
CFOPであれば、机面の利用のしどころは「叩きつけてズレを直す」くらいのものだから別に問題はない。でもRoux Methodにおいては、机面の果たす役割が物凄く大きい。ていうか後半はほとんど置いて回してるし。使えるか使えないかは死活問題である。ダメになったらRouxは使えなくなる。
そんな感じで、ダメな気はするんだけど、Roux Methodをすっかり気に入ってしまった今となっては、ルールの抜け穴という感じでOKのままであってほしい。